シュムペーター『経済発展の理論』

しかし問題はつねに、われわれの欲望充足の立場から現存するものとは多少とも異なったものを獲得することである。すなわち、問題はつねに、もろもろの物および力の相互関係を変更すること、現在分離されている物および力を結合すること、物および力を従来の関係から解き放すことである。第一の場合については、「結合する」(kombinieren)という概念が文句なしに適合する。第二の場合については、われわれは分離されたものをわれわれの労働と結合するといってよい。われわれの労働は、われわれの欲望と対置する、与えられた財の中に数えられるからである。技術的にも経済的にも、生産とはわれわれの領域内に存在する物および力を結合することにほかならない。個々の生産方法はそれぞれ一定のそのような結合を意味している。異なる生産方法は結合の様式によって、いいかえれば、結合される対象によってか、あるいはそれらの量の間の関係によって区別されるにすぎない。個々の具体的な生産行為はわれわれにとってかかる結合を実現するもの、あるいはわれわれにとってかかる結合そのものである。この考え方は輸送その他、要するに最広義のすべての生産に拡張することができる。一つの企業においても、また全国民経済の生産関係においてもこのような結合が見られる。この概念はわれわれの議論において重要な役割を演ずるのである。