岡本 康男『体にいちばん快適な家づくり』

 このハイブリッドソーラーハウスの床は、深夜から翌朝にもおよぶ長時間の蓄熱を確保するため、約20cmのぶ厚いコンクリート蓄熱床です。循環パイプがコンクリートに埋まっているので、太陽熱がコンクリートに蓄熱されないと家の暖房ができない構造になっています。たとえば50㎡ほどの蓄熱床に使うコンクリートは10㎥、25tにもなります。こんな巨大な岩を昼のうちに暖めておいて家の中におけば、朝まででも暖かいのは理解できます。部屋の中に岩をおくわけにはいかないので、これを邪魔にならないように薄く延ばして床下に敷いたと思えばいいわけです。
 蓄熱床の上には無垢の床材が張ってあります。床一面に重くぶ厚いコンクリートを敷設するので、縁の下はつくらず、いわゆる土間床構造になります。
 縁の下がないと風が通らないので床下が腐るのでは、という心配は無用で、じつは縁の下があるために通風が必要になるのです。縁の下がなければ湿気が入らず、温度が下がらないので結露もなく、床は腐りません。

体にいちばん快適な家づくり (講談社+α新書)
岡本 康男
講談社
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